No10. 内部の汚れによる精度変化は、どの程度出るのか?

Q.内部の汚れによる精度変化は、どの程度出るのか?

A.ひどい汚れ

汚れにより作動が悪くなるほどのひどい汚れは論外ですが、 作動に問題のない程度の汚れによる誤差を検証してみます。
フロート形もフラッパー形も同じ状況ですので、簡単のため、テーパー管とフロートの図で見てみます。

汚れの程度

汚れの量とは、どれくらいでしょう?(流量検出部に鉄は使われませんので、 鉄サビ分は除きます)
水道水の水あか程度でしたら0.02mm以下?汚れた廃水などでしたら0.2mm?きれいな”処理水”でも透明な”ノロ”が1mm近く付くこともあります。

管の大きさによっても、 又流速によっても変わるでしょうから、 実際には寸法で表すことは困難です。
ここでは、 概念としておおよその誤差を感じ取って頂ければと思います。

誤差の要因

最大影響は流体の通過面積の減少です。
フロートの体積変化や質量変化もありますが、互いに相殺される方向であることと、値が小さいので無視できます。

誤差の計算

寸法変化による流量比は次式です。
Q’/Q=(D’^2-d^2)/(D^2-d’^2)
汚れの付着厚さが同じとすると、 サイズの小さいほど誤差率が大きくなります。
流量比の参考値を表にしてみました。

流量比試算表

上表から見て、太字の「0.960」(4%F.S)位が実用限界と思われます。
イメージとして、 汚れの付着誤差は意外に大きい感じです。
処理水の”ノロ”付着経験上では、特に処理水ラインで長期(2年以上)にわたり清掃しないで使用していると、予想外に1、2割の誤差が発生していると感じたことがあります。

処理水は、 きれいにはなっていますが、 有機物を含んでいるため透明な”ノロ”が内壁に多量に成長するようです。”ノロ”は柔らかいゼリー状のため、 口径がある程度大きいと(25A以上くらい)動作不良にはならないようです。

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