No22. AP-0200形透明テーパー管式面積流量計のフロートが、回転しているものと、そうでないものがあるのは何故?
Q.AP-0200形透明テーパー管式面積流量計のフロートが、回転しているものと、そうでないものがあるのは何故?
A.回転するフロート
姿勢を安定させるために回転させますが、そのフロートの形状は右図のようにガイドロッドのないときです。
姿勢が安定する理由
フロートの周りに発生する”うず”等によりフロートはフラつくことがありますが、 回転させることにより、「コマ」の原理で求心力が付くことや、うずの細分化等で姿勢がより安定する傾向があります。
回転させる方法
左図において、フロートの頭部に傾斜する「ミゾ」を切っておくと、流体の流れは溝の壁に当たり曲げられます。
この反力がフロートを回転させます。溝を深くしたり、 数を多くすると速く廻るようになりますが、必要性のないこと、コストがかかることから、図程度が実用的です。
回転速さ
単に回転といっても実際にはその速さも適正でなくてはなりません。
気体のように粘性の小さい流体中では、粘性によるブレーキ力が働かないため、回転が速すぎ外乱ショック等で回転が乱れ、 テーパー管側面へ大きく衝突することがあります。
又、液体のように粘性の大きい流体では、粘性によるブレーキが掛かりすぎ、回転が遅くなり安定効果が小さくなってしまいます。
理想的には流体条件に見合った回転速度を求めることが望ましいことになります。
実際には受注生産の度に理想的な回転をさせることは、コスト上不可能ですから、気体用も液体用も同じ溝深さにならざるを得ません。
回転させる特殊な目的
右図のようにガイドロッドがあるのに、 回転しているものもありました。流体が結晶を起こし易いときなど、ガイドロッドとのスキマの結晶を掻き落とす目的もあったようです。
これも実用範囲が狭いことから、今ではほとんど使われていません。
回転の必要性旧来では、習慣上から左図のような溝付きフロートで回転させていましたが、 現在当社では全てのフロートを回転させていません。
回転させなくても安定姿勢を保てる形状を、 実験により求めて、 標準化して使っています。
現在では実用上回転させる必要がなくなったわけです。