No31. オリフロメータで流体の密度が変化したときの補正はどの様にしますか?オリフィスと面積流量計の組み合わせの為、 特別な補正式がありますか
Q.オリフロメータで流体の密度が変化したときの補正はどの様にしますか?オリフィスと面積流量計の組み合わせの為、 特別な補正式がありますか。
A.一般のオリフィスと同じです。
補正式
Q=Q0×√(γ0/γ)・・・・・・①
気体で基準状態に換算した目盛り流量では次の②式です。
Qn=Qn0×√(γn0/γn)×√(P×T0/P0×T)・・・・・・②
ここに、
Q0:目盛り指示値
Q:実際の体積流量
γ0:目盛り基準の密度
γ:実際に使用する流体密度
Qn0:基準状態に換算した目盛り指示値
Qn:実際の基準状態での体積流量
γn0:目盛り基準の気体の基準状態での密度
γn:実際の使用する気体の基準状態での密度
P0:目盛り基準絶対圧力
P:実際の使用絶対圧力
T0:目盛り基準絶対温度
T:実際の使用絶対温度
複合補正の考え方
(1) 主管流量Qの補正
左図において差圧(p1-p2)が一定の時の体積流量の補正式は①式によります。
(2)バイパス流れの補正
(p1-p2)が変わらないとき流体の密度が変わるとバイパス流量qも主管流量と同様に変わります。
流量指示計である面積流量計の指示値はqの変化で変わりますが、密度変化により反対の方に指示が変化して、結局指示値は動かないことになります。
従って、主管流量の補正をするときのQ0は面積流量計の指示値を使用します。
補正の理論式
参考までに上記のバイパス流量補正の理論的根拠を示しておきます。(記号説明省略)
(p1-p2)一定の時流体密度がγ0からγ1に変化したときのバイパス流量q0、q1は次式による
q0=CS√(2g(p1-p2)/γ0)・・・・・・・・・・③
q1=CS√(2g(p1-p2)/γ1)・・・・・・・・・・④
③、④より
q1/q0=√(γ0/γ1)・・・・・・・・・・・⑤
一方、次式の面積流量計の流量式から、目盛り位置はAの関数である。
q=cA√(2gV(α-γ)/Af・γ)・・・・・・・・・・⑥
⑤式よりq、γそれぞれが変化したときのAは
A0=q0/c√(2gV(α-γ0)/Af・γ0)・・・・・・・⑦
A1=q1/c√(2gV(α-γ1)/Af・γ1)・・・・・・・⑧
⑧のq1に⑤を代入して⑦式とから
A1/A0=√(α-γ0)/(α-γ1)
C=√(α-γ0)/(α-γ1)とすると(αはフロート密度)
A1=A0・C・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・⑨
流体が気体の時
α>>γだからC=1となり補正は不要となる
流体が液体の時
αに対するγの影響は小さく、Cは1に近くなり補正は実用上不要となる。
計算例:γ0=1.0 、γ1=1.1(10%の密度変化)
C=√(7.9-1.00)/(7.9-1.1)=1.007 約0.7%変化