弊社では、次のように目盛表示で区別表示をしています。
標準状態体積→m3(ntp)
状況下 体積→m3 (温度、圧力併記)
ちなみに、気体の質量目盛のときは、”(npt)”表示はありません。(質量普遍)
“ntp”は気体の体積の温度・圧力を限定するときに用いられる記号で、0℃、大気圧の条件を表し、JISではこれを”基準状態”と呼びます。
基準状態以外の温度・圧力条件を持った体積を表示するときは、”ntp”なしに単に”m3″等と表示します。
[例1] 体積
使用状況下で、圧力0.5MPa、
温度20℃、体積100m3の気体は、
基準状態に換算すると体積は
553m3(ntp)となります。
Vo=V1・P1/T1・To/Po
=(100(m3)×(0.5(MPa)
+0.1013)/(20(℃)+273)×273/0.1013
=553 m3(ntp)
[例2] 流量
仮に、1時間にこれだけの流れがあるとすると、状況下流量表示では100m3/h、基準状態表示では553m3/hと目盛られます。
どちらにしますか?
流量計の内部では、検出動作そのものは流量計を通過するときの気体条件で検出しておりますが、基準状態に換算した目盛でも、あるいは検出条件(使用状態)のままでの目盛でも、いずれも可能です。
どちらにするかの区別は、流量計の使用される目的により決めます。
一般的には、 “(ntp)”表示の基準状態表示が圧倒的に多いようです。
参考(用語の定義)
一般慣用語では
標準状態→0℃、大気圧
JISでは、
基準状態→0℃、大気圧
(0.1013MPa, abs)
標準状態→20℃、大気圧
(0.1013MPa, abs)
が用いられ、それぞれ基準状態→(ntp) 標準状態→(stp)で表します。
当社では、上記のJIS用語を厳密に適用すると、ユーザーの認識との間にズレが起こることがある恐れがあることから、標準状態、基準状態、共に(ntp)表示を原則とし
ながら、”標準状態”と表現されるお客様には(stp),(ntp)の再確認をさせていただいております。
「Normal を標準or基準と訳すか、Standard を標準or基準と訳すか、悩ましいところです」