No13. 高粘度流体の流量計測に、 面積流量計を使用したとき、 その粘度変化は精度にどのような影響を与えるか
Q.高粘度流体の流量計測に、 面積流量計を使用したとき、その粘度変化は精度にどのような影響を与えるか
A.粘度の変化と指示誤差
面積流量計は、流体密度や粘度が目盛り基準と変わると誤差がでます。
このうち、密度は計算(理論的に)で補正が出来ます。粘度変化は、計算補正が出来ません。
従って、 使用するときに粘度が変わらない様に工夫する必要があります。
しかし実際にはそれが難しいのが実状です。
例えば、常温(温度を一定管理しない状態)の潤滑油循環ラインの場合、運転直後は油温度が低く(粘度が高い)、運転時間の経過に従って温度が高く(粘度が低い)なり、その結果指示誤差が何割も出ることがあります。
又、単純移送ラインでも、冬と夏の温度差により粘度が大きく変わる液体も同様に管理の難しいものです。
粘度補正係数は一定でない
密度補正は指示値に関わらず一定の補正係数ですが、 粘性補正は指示値により補正係数が変わります。次図に補正係数の違いを図示します。
誤差の把握で実用使用OK
用途に照らし合わせ、 実用的な誤差変化をあらかじめ知ることが出来れば、安心して使うことも出来ます。
例えば、
100l/h位では水の夏冬の温度変化でも数%の誤差は出ます。
1000l/h位では2,3cPの変化で誤差は出ません。10m3/h位では10cP程度の変化は無視できます。50m3/h位では数10cPの変化は問題ないでしょう。
1cP用目盛りの粘度影響水用目盛を高粘度で使うとき、誤差が出る限界の目安は、下図の程度です。
(実線より下側では誤差は出ない)
指定の粘度基準で作った目盛り
粘度を指定して作られた目盛りに対して、誤差の無視できる粘度の変化範囲は、 プラス/マイナスで上図と同じ程度です。(推定)
次図は指定の粘度と最大目盛の図例です
定格の違いと実際粘度影響例
同じ粘度で最大目盛の違いによる影響を図示します。