No24. フロート形面積流量計の「ハンチング」を止める方法はあるか?
Q.フロート形面積流量計の「ハンチング」を止める方法はあるか?
A.ハンチングの予防
ハンチングを起こさない配慮が出来ます。
流量計は原則的に全数受注生産ですから事前にその都度ハンチングの起こらないフロート選択をすれば予防できます。
目安として、供給圧力に対して、フロート動作圧力を10分の1程度にすればOKです。
透明テーパー管式のとき供給圧が300hPa以下のときは配慮が必要です。概して、流量計口径を配管より一サイズアップが必要となります。
金属テーパー管式のときフロートはマグネットを内蔵するために長いロッドと一体になります。このため質量が大きくなり、動作圧力が最低でも200hPa程度必要になります。(これ以下では製作できないことになります)
さらにハンチングを押さえるために、ダンパーが必要です。ダンパーは自己気体を使ったガスダンパーと他の液体を使った液体ダンパーがあります。
液体ダンパーは衝撃吸収性が高いのですが、ダンパー液として使用される液体が、流れる気体に混入しても差し支えない、特殊な用途のみとなります。
フラッパー形面積流量計では
フロートの代わりに、ばねで支えられたフラッパーが使われているので、ハンチングの心配は皆無です。
低圧気体の測定でも、 動作時の圧力損失のみを考慮すればいいので、選定に心配がいりません。
フラッパーの動作差圧は流量に比例して、ばね力と釣り合うので、振動は発生しません。
ハンチングが起こってしまったら
透明テーパー管形でハンチングが起こってしまったら、次のバルブ操作を試みてください。
真空引きのときは出口弁全開して、入り口弁で流量を調節する。
吐出側のときは入り口弁全開して、出口弁で流量を調節する。
いずれにしても、流量計内圧を上げる工夫をすれば安定することがあります。
それでも止まらないときは流量計の選定をやり直す必要がありそうです。