こんにちは 品証課の下山です。
今回は、UVカット機能付き面積流量計AP-0200のご紹介をさせていただきます。
AP-0200を屋外で使用しますと、テーパ管及び目盛部分のフィルムが紫外線と風雨に晒され徐々に変色し、フィルムに至ってはヒビ割れやシワが発生する場合がございます。
この為、テーパ管やフィルムがどの程度の耐候性を有するか、またテーパ管(目盛フィルム付き)に紫外線をカットするカバーを付けた場合の耐候性について検討し、UVカット機能付きAP-0200を考案しましたのでご報告いたします。
1.試料
試料には通常使用するテーパ管(図1試料1)、テーパ管上にアクリルカバーを乗せた場合(図1試料2)、UVアクリルカバーを乗せた場合(図1試料3)を用意しました。
弊社のテーパ管は材質としてポリサルフォンを使用しています。この為、
(1)試料1:テーパ管と同じ材質のポリサルフォンを板状に切り出し、その上に目盛フィルムを形成しました。
(2)試料2:試料1の上にアクリル製カバーを乗せました。
(3)試料3:試料1の上にUVカットアクリルカバーを乗せました。
2.実験方法
キセノンランプ式促進耐候試験機を用い、JIS B 7754の条件で耐候試験を実施しました。
(1)照射照度:100W/m2(波長300~400nm)
(2)温湿度条件:槽内温度38℃(降雨時)~40℃(照射のみ)
(3)照射時間:降雨時間18分、乾燥時間102分を1サイクルとする連続照射
(4)試験時間:200(3か月相当)~1600時間(2年相当)まで
3.評価方法
各試料の試験前後での外観検査により色の変化やフィルムの状態の違いを観察しました。
*尚、詳細の実験では測色計による色差の変化も見ていますが、ここでは省略します。
4.試験結果
試料1では、200時間(約3か月)でポリサルフォンの色味が黄色く変色し(図2(1)200時間後参照)、500時間(約7.5か月)からポリサルフォン上層の目盛フィルムとカバーフィルムにヒビ割れが生じてきます。1600時間経過後では、ポリサルフォンの色も黄色味が濃くなり、各フィルムのヒビ割れも大きくなりました(図2(1)1600時間後参照)。
アクリルカバーを使用した試料2では、500時間経過後からポリサルフォンの色味が薄黄色となり(図2(2)500時間後参照)、1600時間経過時では黄色味が濃くなりました(図2(2)1600時間後参照)。但し、各フィルムのヒビ割れは発生しませんでした。
UVカットアクリルカバーを使用した試料3では1600時間経過後でもポリサルフォンの変色やフィルムのヒビ割れはなく良好な状態を保持しています(図2(3)1600時間後参照)。
5.ご提案
以上の試験結果から、AP-0200を外部環境でご使用の場合は、UVカットアクリルカバーをご使用になると紫外線対策として優れた機能を発揮することがわかりました。
弊社では、UVカットアクリルカバーを使用したAP-0200の販売(図3参照)や現在ご使用中のAP-0200へ使用するUVカットアクリルカバー単体での販売もしています。
本実験の詳細が知りたい方やUVカットアクリルカバーのご利用を希望される方は、担当営業にお申し付けください。
*本検討はJIS B 7754を基にした実験ですので、実際の環境下では耐久性に差異があることをご了承ください。